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2008年5月

東京地裁、解雇無効の判決

ユニオンスクエア243号 (2008年5月19日)

東京地裁、解雇無効の判決

本社過半数代表選挙中に解雇された、谷野本社分会長に対し、東京地裁、裁判官は「解雇権濫用」を類推適用しました

東京地裁報告 2008年5月13日(火)13:10~
 この日は時折雨もちらつく空模様でしたが、昼前には原告の谷野さんやユニオンの執行部は地裁ロビーに全員集合し、今日の判決が全面勝利で有ることを祈りました。
 法廷は定刻よりも若干遅れて開廷され、判決が言い渡されました。この日、会社側の代理人である、弁護士が欠席するなど、会社側弁護人の苦渋の立場を窺わせました。
 裁判官は、一般判決通り主文から読み上げ「原告(谷野氏)が、被告(平河工業社)に対し、雇用契約上の権利を有する地位に有ることを確認する」と言い渡し、会社側が行った解雇は無効であるとの判決を言い渡しました。
 この判決により、谷野本社分会長の解雇は無効とされ、賃金も遡って支払うことが確定しました。
 今後会社は控訴の可能性を残しているものの、既に3人の裁判官(仮処分申請、異議申立申請、本訴)が、解雇を無効と判断している事件に対して、会社側代理人の弁護士が、どのように判断し、会社を指導するのか見守るしか有りません。
 私たちは、会社が控訴しようが上告しようが、どこまで行っても今回の判断が覆る事はあり得ないと考えています。
 解雇されてから1年以上が経過し、その間、会社からは色々取って付けたような証言が有りました。しかし、それらの証言に基づく前後の整合性などを裁判所は慎重に吟味し、最終的に全て破棄したといえる内容の判決でした。
 判決の内容の全文はかなりの量になり、掲載は不可能ですので、そのポイントを以下に掲載するにとどめます。

      
●会社の言い分  ★裁判所の判断
●解雇ではなく単なる雇い止めである。
★平成19年2月28日の常務と谷野との話し合いで谷野を正社員として処遇する提案がされていたことからして、期間の定めのない契約と実質的に変わらない。従って、本件雇い止めは「解雇権の濫用を類推適用」する事が相当である。
●アンケートの結果谷野は荷受け担当者として極めて不芳である、また紙の棚卸し業務を拒否している。
★荷受け担当は谷野以外の者も行っており、アンケート結果の全てを谷野に対する評価ということは困難であり、この結果を以て谷野の評価を「極めて不芳」という事はできない。また、紙の棚卸しも拒否したまま現在に至っているという事もない。
●共栄メディア社等とトラブルを起こし、仕事を受注できなくなった。
★会社提出の証拠によれば顧客を失うというトラブルであると評価しているにもかかわらず、常務が共栄メディア社社長から指摘されるまで平河工業社の経営陣は認識していなかった事、当時認識していた、責任者も特段谷野に注意をしていなかった事、証言においても「ある程度話したと思いますよ」「後から聞いた話」などと、当時注意した事と矛盾する証言をしているのであるから、会社の主張は採用できない。
 加えて会社が共栄メディア社と東和印刷社のトラブルを認識したとする平成18年9月の直後である10月11日には谷野の雇用契約の更新手続きがされている。以上のトラブルが「会社の信用を著しく毀損し被告に損害も与え」るもので、「荷受渡し担当として通常期待される能力水準を満たさなくなった」とする、会社の態度と矛盾すると言う他はない。
 また、会社の下請け業者(新和オフィス、三都)の中には不満を示す事も認められるが、具体的日時や頻度は明らかでない。また、谷野は事前連絡がないまま受領すると倉庫内が混乱する旨説明しているが、その説明が不合理であるとはいえない。
 そもそも、和田人事課長の陳述書によれば、通常期待される能力水準を満たさず改善の見込みもないと判断した理由は①共栄メディアとのトラブル②東和印刷とのトラブル③アンケートの調査結果であるから、その他の事は付随的な事にすぎない。
 以上の通り、本件雇い止めは、不当労働行為かどうか判断するまでもなく、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないから権利の濫用にあたり、無効であると言うのが相当である(労働基準法18条の2の類推適用)。

          谷野分会長のコメント
 私にとって、今回の事件で「解雇権の濫用」とした判決には二つの大きな意義があると感じています。
一つ目は、アルバイトも正社員と同じ仕事をしている以上、『一般社員と実質的に変わらない』と裁判所が判断を示した事。
二つ目は、会社から解雇を言い渡された後、本社の多くの社員の皆様に激励会をもって頂き「必ず帰ってこいよ」と大きな声で送り出され、その声にお応えでき、約束を果たせたことでした。
 その他、多くの皆様から、メールや電話で励ましのお言葉を数多く頂きました。正に見返りのない親切心に支えられた、1年間でした。本当に有り難うございました。

                  裁判官
 直近の判決では2008年4月23日に朝日新聞他に大きく報道された「うつ病解雇訴訟」があります。
 この事件は東芝の工場で働いていた女性(41歳)長時間労働(時間外労働90時間/月)が原因でうつ病を発病したのを理由に解雇したのは違法であるとして訴えた訴訟で、解雇を無効とし未払い賃金など2700万円を支払うよう東芝に命じた判決があります。代理人の川人博弁護士は「業務が原因で精神疾患にかかった従業員の解雇が、判決で無効だと認められたケースは初めて」としています。(朝日新聞)

           ユニオン共済からのお知らせ 
 ユニオン共済で実施している、共済金の請求漏れが一部でありました。給付水準は従来よりも一部削減した部分も有りますが、全般的に従来の水準を超えるものとして、給付を実行しています。詳細は執行委員までお問い合わせください。

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